先日、健組/小野田棟梁の西馬込の家を見学させていただきました。
3月に棟上げして、外壁と床の下地が組みあがった状況で、
伝統工法の継手や納まりを見学できる絶好の機会となりました。
伝統工法は、今の建築基準法ができあがるよりも、ずっと前から
日本の風土に適合しながら長い時間をかけて成熟してきた工法です。
今は、法令や在来工法の影響だけでなく、暮らしに対する価値観の変化もあり、
純然たる伝統工法は、法的な網をかいくぐっていけば可能であっても、
なかなか限られてきているのが現実です。
今回も金物を使った在来工法の一部を取り入れた現場でしたが、
全体的には継手仕口は木組みの伝統工法を生かす工夫が随所に見られました。
今回は最終的に仕上げで壁の中に隠れてしまうのですが、
壁の柱間を水平に通っている貫の構成も見事でした!
建築主、設計者、施工者の努力の賜物ですが、
伝統工法には用・強・美の3拍子が揃っているのを実感できました。
伝統工法の中には見直うべきところはまだまだたくさんありそうです。
私もぜひ今後のプロジェクトに合わせて生かしていきたいと思っています!